小中学校はそろそろ夏休みのようですね。駅でよく家族連れを見かけるようになりました。
一方大学は、というと、まだまだ授業期間が続きます。なんだかんだで8月1週めまで大学があるんですよね。なんだそれ。昭和生まれの感覚からすると、7月20日を過ぎればもう夏休みでもいいと思うんですが。

先週末には国政選挙もありまして、参議院選挙でしたね。
久々の自民党の圧勝。安倍首相就任当時はマスコミ各社が一斉にネガティブキャンペーンを打ってましたね。「おながをすぐに壊す首相はどうのこうの」「昼食に3000円のカツカレーを食べる首相は庶民感覚が備わっておらずどうのこうの」。
あの狂想曲は一体なんだったんでしょう。


僕は今回の選挙の各党マニフェストを見て、自民以外は惨敗だろうな、と見ていた。言っていることが妥当かどうかではなく、言い方の問題だ。
今回惨敗した民主党のマニフェストがひどかったかというと、実はそんなことはない。よく読むと、わりとまともなことが書いてある。まぁ、東アジアの外交問題と在日外国人への生活補助に関しては、何が書いてあるのかよく分からないように工夫して書いていたが、それは民主党が本来、日本のための政党でないことを考えれば仕方がないだろう。

問題はそこではなくて、「有権者は、選挙の争点が複数あると、わけが分からなくなる」という基本を押さえてなかったことだと思う。民主党のマニフェストは、雇用問題、円高対策、景気回復、東北復興、原発、普天間基地、中韓領土問題、など、まぁてんこ盛りに問題点を列挙していた。「民主党はこんなに広くいろいろなことを考えていますよ」とでも言うべき風呂敷の拡げ方だろう。

だから負けたのだと思う。なんというか、選挙に際する作戦が見えて来ない。有権者は、そんなにたくさんの要素を比較対象してじっくり考察するほど、丁寧に国政選挙に投票しない。
自民党のマニフェストや選挙公報の戦略は明白だ。焦点は経済政策のみの一本槍。それ以外の争点は、あえて伏せた。「アベノミクス」という人口に膾炙する標語をあらかじめ作り出していたのも、この参院選挙を睨んでの伏線だっただろう。自民党の基本戦略は、政権発足から半年が経って、有権者に「アベノミクス、効果あったでしょ?」と問いかける形で行われていた。

たとえば原発問題にしても普天間基地問題にしても、国政上は重要な問題だろう。しかし、小選挙区制と比例代表制の抱き合わせ選挙という形態を考えると、前面に出して効くテーマではあるまい。47都道府県すべての地域で同じように重要性が実感されている問題だとは思えない。現地の人たちにとっては死活問題だろうが、遠く離れた地域に住んでいる人にとっては重要性がいまいちピンとこない。有権者は一般的に、「自分の生活に関係ない問題は、関係ない」のではあるまいか。

だから、いま国民に一番共通している問題点である「景気回復」で勝負した。アベノミクス施行以降、確かに円安が進み、輸出依存の日本経済は息を吹き返しつつある。大学にいる僕がそれを実感できるくらいだから、経済界にいる人であればよりその恩恵は感じているだろう。選挙の争点を一点に絞った作戦が、今回の圧倒的な差になったのではあるまいか。

自民党は同じ選挙方策を、2005年の小泉政権時に採っている。当時も外交問題や年金問題など様々な問題があったが、小泉純一郎は「郵政民営化」一本に争点を絞った。当時の民主党は堀江メール事件などで墓穴を掘り、争点を一本化した自民党に歯が立たず惨敗を喫した。

国政選挙は普段政治に関心のない有権者もターゲットにするため、かなりのマーケティング能力とプレゼンテーション能力が必要になる。「わかりやすさ」は一般大衆を相手にする時の基本中の基本だろう。
今回の惨敗を受けて「ここまで民主党離れが進んでいるとは思わなかった」と頭を抱える民主党幹部の談話が新聞(日本経済新聞7月22日朝刊2面)に掲載されていたが、その程度の現状把握能力だから選挙で負けるのだろう。



今後3年間は国政選挙なしで長期政権化の気配。