3日間の学園祭が無事に終了しました。


天候にも比較的恵まれ、まぁまぁの成功を収めたのではないかと思います。
二日目の夕方にちょっと雨が降りましたが、早めに撤収し、事なきを得たようです。

僕のゼミでは、ジューススタンドを出店しました。全部、学生の運営によるもので、僕は企画にまったく関わっていません。
そもそも僕のゼミは理論系の学問ゼミなので、学園祭での出品だとか展示だとか、イベント様式の催しにはそぐわない面があります。
しかしまぁ、年に一度の学園祭に参加しないのもつまらないので、お店でも出店しますか、となった次第です。

まぁ、お店を出店すると言ったって、なにを作るのか、それに必要な機材や材料はどんなものがあるか、どのくらい発注すればいいのか、当日のシフトはどう組めばいいのか、いろいろと頭を使って決めなければいけないことがたくさんあります。
学生はみんなで頭を絞って、一生懸命考えて実践していたようでした。

僕のゼミは理論言語学を扱っていますが、僕は別に学生に言語学の知識を身につけてほしいわけではありません。「ものを考える」というのはどういうことなのか、問題を解くためにはどのような条件や情報が必要なのか、そういう問題発見・問題解決能力を身につけてほしいわけです。
言語学というのは、その能力をつけるためのほんの一例にすぎません。だから、同じ能力を身につけるためならば、言語学でなくても、社会学でも、経済学でも、数学でも、ペンギンの生態学でも、何でもいいわけです。

いつも紙と鉛筆ばかりで理論を勉強していると、思考能力が凝り固まってきます。小さいフィールドで思考を働かせることに慣れてしまい、実践力が伴いません。
僕が、ゼミ生に今回の学園祭での出店を許可したのは、そのためのいいエクササイズだと思ったからです。頭で考えたことと現実世界の間に、どれほどの乖離があるのか、身を以て体験する、いい練習問題でしょう。

まぁ、結果としましてジューススタンドは大盛況で、連日ものすごい売り上げを記録しました。3日間のうち、最初の1日だけで原材料費を回収し黒字確定、最終日の月曜日は平日にもかかわらず売り上げを伸ばすという、訳の分からない販売力を発揮しました。
ゼミの時間の眠そうな授業態度とは打って変わって、みんな活き活きと仕事をしてました。学園祭というのは大学に活気を齎す役割が大きいんですね。
僕も、まさか自分のゼミ生がここまでやるとは思ってませんでした。恐れ入りました。