パラグアイ


グループF
スロバキア 0-2 パラグアイ

パラグアイの試合運びの巧さが光る試合だった。おそらく監督の作戦勝ちだろう。試合序盤のパラグアイの基本戦術は「高めの位置でボールを取れ」だった。FWから全員で中盤以前に強烈にプレスをかける。スロバキアはそのプレッシャーに負け、自分たちのサッカーをやらせてもらえなかった。ペースをつかんだパラグアイは難なく先制点。
高い位置からプレスをかける戦術は、高い集中力と相当の体力を必要とする。今回のパラグアイが優れていたのは、それを充分に承知した上で「力の抜きどころ」を心得ていた点だろう。後半にはいってしばらく、目に見えてパラグアイはペースがスローダウンした。おそらく、カウンターに備えて集中力を持続させるため、体力の温存を計っていたのだろう。その目論みはまんまと図に当たり、後半41分にセットプレーからまんまと追加点を奪う。
チーム力としてはスロバキアもパラグアイも、大して違いはないと思う。しかし、ワールドカップの試合経験とゲームプランの立て方において、パラグアイのほうに分が合ったということだろう。



イタリア


グループF
イタリア 1-1 ニュージーランド

イタリアが予選突破に黄色信号が灯った。このグループでかませ犬と見られていたニュージーランドに、まさかの引き分け。しかも先取点を取られ、なんとか引き分けに追い付く体たらくだった。その点もPKでもらったものだ。その後はがっちり引いて守るニュージーランドの守備を崩せず、打てども打てども点が取れない。イタリアの中盤は確かに豪華だが、前線の人材に不足しているように感じた。最後のフィニッシュがなかなか決まらない。
一方のニュージーランドは前回試合の劇的な同点弾に続き、勝ちに等しい引き分けを手に入れた。イタリア相手に引き分ければ上出来だろう。グループFはすべてのチームに決勝トーナメント進出の可能性がある。ここまでは守備的な陣形で引き分けてきたニュージーランドだが、次回のパラグアイ戦では勝ち点3をとらないといけない。前に出るニュージーランドがいかほどのものか、次回の試合が楽しみ。



ブラジル


グループG
ブラジル 3-1 コートジボワール

ブラジルがルイス・ファビアーノの2得点を含む3点を取って快勝。ここまでの予選リーグの各試合では、アルゼンチンの快勝、イングランドやイタリアの苦戦などがクローズアップされてブラジルがあまり話題になることは多くないが、今回のブラジルは強いと思う。ブラジルはきらめくタレントが揃った「黄金の何とか」と呼ばれる布陣を擁するワールドカップのときほど、決まって惨敗している。今回のブラジルはそれほどタレント性が話題にならないが、その分、組織的なチームに仕上がっている。しかも、それが「人材がいないから、しょうがなく組織的に」という感じではなく、ドゥンガ監督が意図的に、個人力頼みのチームカラーを封印して計画的な組織力を植え付けている。こういうときのブラジルのほうが、却って怖い。



イタリアはあまりにもスロースターターが過ぎるだろ。