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新幹線の安全、プラレールで訓練 「状況把握しやすい」

(asahi.com)


 最新技術を乗せて超高速で走る新幹線。その安全を守るためにJR東海が実施している訓練で、対象年齢3歳以上の鉄道おもちゃ「プラレール」が使われている。安上がりで、全体状況を把握しながら効果的な訓練ができる。なにより、「なごめる」と乗務員にも好評だ。

 青いプラスチックのレールが目にまぶしい。ここはJR東海の殺風景な会議室。名古屋駅周辺の線路が机上に再現されていた。緊張した様子の運転士4人と、鋭い目つきの指導助役、門前文雄さんが各自の配役を決め、訓練を始める。

 「やわやわ、やわやわ」。無線に向かって赤坂広視運転士が、速度節制を求めるJR東海の専門用語を繰り返す。

 ベテランの荒木敏弘運転士が無線で聞きながら、レール上の700系新幹線のおもちゃを右手でゆっくり前に進める。前方にある別の新幹線にたどり着くと、「連結器はありませんが、これで連結しました」。一同から笑みがこぼれた。

 故障で止まった新幹線を、名古屋駅にいた別の新幹線が救援する想定だった。荒木さんが救援車の運転士、赤坂さんは故障車の車掌を務めた。

 指令役の門前さんは指示を出しつつ、「救援時になぜATC(自動列車制御装置)を開放するの?」などと、次々と質問する。

 プラレール訓練は06年7月に始まった。発案者は、東京第1運輸所の大島善次副所長。「技術進歩で、トラブルを経験する乗務員が減った。実際の車両を使った訓練では個々が全体状況を把握しにくい。この歯がゆさを、手頃な予算で解決できた」と、大島さんはいう。

 JR東海は実車訓練もするが、乗務員教育の基本は5冊のマニュアル本。大島さんは「現場で異状に即応できないのでは」と感じていた。

 そこで、大島さんが買ったプラレール「いっぱいつなごう700系のぞみセット」と、部下が持つ「TVで遊ぼう! 僕はプラレール運転手」で訓練が始まった。

 沿線全駅を再現できる量のパーツを購入し、信号機などは特注した。今ではJR東海の全乗務員約700人が、定期的にこの訓練を受けている。

 赤坂さんは「普段は運転士の視点だけなので効果的。子どものおもちゃというイメージは変わった」。運転士見習の森川啓さんは「和みます。理解しやすい」と楽しそうだ。

 一方、タカラトミーは、特注を受けた標識や信号機を早速、商品化した。担当の服部ゆい子さんは「最初は驚いたが、現場の方々から直接いただく意見はとても貴重。今後に役立てます」という。



甥っ子がプラレールファンで、とんでもない量のプラレールを所持しております。幼稚園児にしてすでに自らのレイアウトを作りつつ遊んでいるのを見て、これは状況把握のシミュレーションに使えるのではと思ったことがあります。

安全訓練には様々な要因をチェックしなければならないでしょうが、実際の車両訓練だけでは確認できない大局把握のイメージづくりも必要でしょう。作業中に細かい計器類を扱っている乗務員には、即座に車両全体の状況がイメージしにくいということもあると思います。プラレールのような縮尺模型を使った訓練は、様々な、実際的で細かい要因を捨象して、客観的な視野を養うのに適していると思います。



てか俺もやりたいんだが。