tan1°は有理数か

(2006年 京都大学(後期)数学・文系[5]、理系[6])



もっと何か言えよ。


基本的にはtan30°、tan60°などの、あからさまな無理数を使って強引につなげればいいんだと思う。たとえば30°を(29+1)°としたり、(2×3×5)°としたり、まぁいろいろと分け方はあると思う。その関係をどうつなげるかの問題。


<こたえ>
tan1°を有理数と仮定する。

tanθ(1°≦θ≦29°)において、
tan(θ+1°) = (tanθ+tan1°)/(1-tanθtan1°)
これは有理数。
よって、tan30°が有理数であり得ることになる。
これは、tan30° = √3/3が無理数であることに矛盾。

よって仮定が誤り。tan1°は無理数である。


数学の問題のなかには、ゴールがはっきり見えていながらも「その途中経過をどうでっちあげるか」を思いつきにくい問題がある。その典型的な問題。「tan30°は無理数」「背理法」というふたつの道具はすぐに思いつくものの、それをどうつなげたらいいのかが面倒。

道具として数学を使いこなすことができるかを問うにはいい問題だと思う。



難問というほどのものではないが