文在寅の報復は「日本に影響ナシ」どころか「韓国に大打撃」の可能性 経済の条件が違いすぎる
(高橋 洋一)
この軋轢を「外交問題」と捉えている人が多いが、その実、この問題の本質は文在寅の「経済失策」にある、という指摘。
この指摘が正しいのであれば、文在寅が強行に嫌日政策をとっている理由は「それが唯一の失政回復の方法だから」であり、ことの本質は外交には無いことになる。日本側の態度は一切関係ない。日本側がどういう態度をとろうと、文在寅にはこの方策しか無い。
つまりこの件は、外交努力で解決できる類いの問題ではないことになる。
(高橋 洋一)
韓国の失政の代表例は、雇用政策である。文政権は、韓国内では左派政権とされるが、それが雇用政策に失敗したとあっては、面目がないだろう。この点、韓国の文政権は驚くほど日本の民主党と共通点がある。
文政権は、「最低賃金引き上げ」と「労働時間短縮」に取り組んだが、結果として失業率は上がってしまった。
最低賃金引き上げも労働時間短縮も、ともに賃金引き上げを意図した政策だ。しかし、金融緩和を行って雇用を作る前に、先に賃金を上げてしまうと、結果として雇用が失われる。典型的な失敗政策で、まさに日本の民主党政権と同じ間違いだ。
左派政党の建前は、労働者のための政治だ。このため、雇用を重視する。しかし、雇用を作るための「根本原理」が理解できていないと、目に見えやすい賃金にばかり話が行きがちだ。
金融緩和は、一見すると企業側が有利になる。そのため左派政党は、短絡的に「金融緩和は労働者のためにならない」と勘違いする。金利の引き下げは、モノへの設備投資を増やすとともに、ヒトへの投資である雇用を生み出すことを分からないからだ。
この間違いを犯す人は、金融引き締めで金利を上げることが経済成長のためになる、などと言いがちだ。例えば、立憲民主党の枝野幸男代表がその典型だ。
そうした勘違いの末、政策として実行しやすい最低賃金の引き上げを進める、という話になる。民主党政権もこれで失敗した。
この軋轢を「外交問題」と捉えている人が多いが、その実、この問題の本質は文在寅の「経済失策」にある、という指摘。
この指摘が正しいのであれば、文在寅が強行に嫌日政策をとっている理由は「それが唯一の失政回復の方法だから」であり、ことの本質は外交には無いことになる。日本側の態度は一切関係ない。日本側がどういう態度をとろうと、文在寅にはこの方策しか無い。
つまりこの件は、外交努力で解決できる類いの問題ではないことになる。
原因を断ち切るのが問題解決の王道。