日比谷公園のルーン文字石碑を見てきました。
こないだ、まぁ、不要不急の遠足などやってきたわけですが、本当の目的はこの石碑を見ることだったわけです。日比谷公園を入って、大噴水から右、日比谷通りに面した、心字池という日本庭園っぽい池のほとりにあります。
ルーン文字の石碑、というわけのわからないものが東京のど真ん中に鎮座ましましておるとは、ほとんどの人は知りますまい。
日比谷公園には、「なんか珍しいものだけど、博物館に入れるほどのものではない」というものが、わりと雑に置いてあります。あちこちに「なんだこれ」というものが陳列してあります。
このルーン文字石碑もそのうちのひとつでしょう。もともと北欧と日本の航路が北極経由で開拓されたことを記念して寄贈されたもののようです。碑文の単語からして、おそらく寄贈したのはスウェーデンでしょう。
だそうです。
最も有名なルーン文字は「Bluetooth」のロゴだろう。
電子デバイスの無線通信規格として、現在最も流通しているものだ。しかし、どうして無線規格が「青い歯」という名称なのか知っている人は少ないだろう。
Bluetoothは最初、エリクソン、インテル、IBM、ノキア、東芝の5社がプロモーターとなって策定された。この中で北欧企業(スウェーデン)のエリクソン社の技術者が、伝説のデンマーク王、ハーラル・ブロタンの名前を冠した「H・B」を名称として使用した。Bluetoothのロゴは、長枝ルーン文字の「H」と「B」を併せた合字だ。
ルーン文字は、小説「ハリー・ポッター」シリーズにも出てくる。
ホグワーツ魔法学校には3年時から「古代ルーン文字学」(Ancient Runes)という選択授業があり、ハーマイオニーがこの授業を履修している。リドルの日記を盗まれたハリーが慌ててグリフィンドール寮の談話室に駆け込んでくると、ハーマイオニーは『古代ルーン語のやさしい学び方』(Ancient Runes Made Easy)という本を読んでいた。
また、ふくろう試験(Ordinary Wizarding Levels Test, OWL試験)を受験したハーマイオニーが、食堂でのんびりチェスをしていたハリーとロンのところに来ると、不機嫌そうに「古代ルーン文字の試験がめちゃめちゃだった。ひとつ訳し間違えた」と言い、ロンが驚いて「たった1カ所!?」と驚くシーンがある。
物語の終盤、ダンブルドア校長はハリー、ロン、ハーマイオニーの3人に形見を贈る。ハーマイオニーに贈られたのは『吟遊詩人ビードルの物語』(The Tales of Beedle the Bard)。魔法界ではよく知られた伝説や童話を編纂した書物で、3つの「死の秘宝」の正体を3人に知らせるためのものだ。この物語、表紙の題名が古代ルーン文字で書かれている。また、物語中の吟唱詩のいくつかはルーン文字で書かれている。ハリーとロンはルーン文字の授業を履修していないため、この本はハーマイオニーしか読むことができない。
ルーン石碑というのは、北欧のヴァイキングが各地に遠征して征服行為をした時、その成果として記念に建立する石碑のこと。北欧各地に6千ほどの石碑が発見されている。700年から1100年ごろに建てられたものが多い。その性質上、内容としては「何年何月、誰々がここの地を征服した」のようなものが多い。
ルーン文字というのは言語学的にちょっと特殊な文字で、その文字資料がほとんど石碑にしか残っていない。文字の形を見れば分かるが、ほとんどが直線で形成されており、最初から石に刻むための文字として作られたことが分かる。
ルーン石碑の特徴は「書いてある内容よりも、『どこに残っているのか』のほうに価値がある」ということだ。なにせ残存している文字資料は征服記念の石碑しかないものだから、どの石碑も内容は似たり寄ったり。だからルーン石碑というのは言語学的にはたいした価値はない。
しかし、歴史学的には価値が高い。ルーン石碑が残っているということは「むかしヴァイキングがここまで勢力を伸ばしていた」という証拠に他ならず、彼らの行動範囲と交易圏を特定するための根拠になる。北欧言語の分布と変遷を研究すると、いろんなところにこのルーン文字というものが出てくる。
ルーン文字は死滅文字のひとつだが、わりと現在でもいろんなところで使われている。
ルーン文字というのは言語学的にちょっと特殊な文字で、その文字資料がほとんど石碑にしか残っていない。文字の形を見れば分かるが、ほとんどが直線で形成されており、最初から石に刻むための文字として作られたことが分かる。
ルーン石碑の特徴は「書いてある内容よりも、『どこに残っているのか』のほうに価値がある」ということだ。なにせ残存している文字資料は征服記念の石碑しかないものだから、どの石碑も内容は似たり寄ったり。だからルーン石碑というのは言語学的にはたいした価値はない。
しかし、歴史学的には価値が高い。ルーン石碑が残っているということは「むかしヴァイキングがここまで勢力を伸ばしていた」という証拠に他ならず、彼らの行動範囲と交易圏を特定するための根拠になる。北欧言語の分布と変遷を研究すると、いろんなところにこのルーン文字というものが出てくる。
ルーン文字は死滅文字のひとつだが、わりと現在でもいろんなところで使われている。
電子デバイスの無線通信規格として、現在最も流通しているものだ。しかし、どうして無線規格が「青い歯」という名称なのか知っている人は少ないだろう。
Bluetoothは最初、エリクソン、インテル、IBM、ノキア、東芝の5社がプロモーターとなって策定された。この中で北欧企業(スウェーデン)のエリクソン社の技術者が、伝説のデンマーク王、ハーラル・ブロタンの名前を冠した「H・B」を名称として使用した。Bluetoothのロゴは、長枝ルーン文字の「H」と「B」を併せた合字だ。
このハーラル・ブロタンという王は、当時抗争に明け暮れていたノルウェーとデンマークを、はじめて交渉によって無血統合した「平和の王」として名高い。この王は、歯が青かったという伝説があり、「青歯王」という別名でも呼ばれている。これにちなみ、「いろいろと規格が入り乱れている通信無線規格を、平和のうちに統合したい」という願いをこめ、ハーラル・ブロタンの青い歯(Bluetooth)を名称として使用することにした。
ルーン文字は、小説「ハリー・ポッター」シリーズにも出てくる。
ホグワーツ魔法学校には3年時から「古代ルーン文字学」(Ancient Runes)という選択授業があり、ハーマイオニーがこの授業を履修している。リドルの日記を盗まれたハリーが慌ててグリフィンドール寮の談話室に駆け込んでくると、ハーマイオニーは『古代ルーン語のやさしい学び方』(Ancient Runes Made Easy)という本を読んでいた。
また、ふくろう試験(Ordinary Wizarding Levels Test, OWL試験)を受験したハーマイオニーが、食堂でのんびりチェスをしていたハリーとロンのところに来ると、不機嫌そうに「古代ルーン文字の試験がめちゃめちゃだった。ひとつ訳し間違えた」と言い、ロンが驚いて「たった1カ所!?」と驚くシーンがある。
物語の終盤、ダンブルドア校長はハリー、ロン、ハーマイオニーの3人に形見を贈る。ハーマイオニーに贈られたのは『吟遊詩人ビードルの物語』(The Tales of Beedle the Bard)。魔法界ではよく知られた伝説や童話を編纂した書物で、3つの「死の秘宝」の正体を3人に知らせるためのものだ。この物語、表紙の題名が古代ルーン文字で書かれている。また、物語中の吟唱詩のいくつかはルーン文字で書かれている。ハリーとロンはルーン文字の授業を履修していないため、この本はハーマイオニーしか読むことができない。
マグル育ちはそんな童話を知らず、ロンだけが知っていた。
「ハリー・ポッター」シリーズの魔法学校の授業として使われているように、ルーン文字というのは欧州文化圏の人々にとって「なんか古代っぽい、ミステリアスな文字」という印象のあるものらしい。言語的にはルーン文字はアルファベットと同じ表音文字だが、それぞれの文字に意味がこめられている。ルーン文字のアルファベットを、最初の6文字をとって「フサルク」というが、それぞれのフサルクには発音の他に、名称と意味が設定されている。 その神秘的なイメージから、神託や占いにもよく使われていたらしい。ルーン文字の「ルーン」の語源は、ルーナ(runa)。「秘密」という意味だ。
まぁ、ハーマイオニーほど勉学に勤勉ではない僕も、一応、言語学者の端くれ。ルーン文字の解読くらいはできるかな、と思って日比谷公園の石碑を解析してみた。
まず石碑に書かれているルーン文字を単語ごとに区切って転写してみると、次のようなものになる。
ところが、そう考えると時代が合わない。
ケルト文化というのは、現在のイギリス、フランス、ドイツ、東欧圏に広がっていたケルト人の活動領域に包括される文化を指す。古代ローマで「ガリア人」と称されていた民族ではないか、という説もある。現在のアイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォールあたりにケルトの文化遺産が残されている。
現在ではイギリス系の印象が強いが、ケルト語はインド・ヨーロッパ語族なので、ケルト人もおそらくは大陸由来だろう。ケルト文化がヨーロッパで発展したのは青銅器時代、およそ紀元前1200年くらいだ。かなり歴史の古い民族といえる。
それが、ローマ帝国、ゲルマン民族の侵攻を受け、衰退に向かったのが紀元前1世紀ごろ。紀元後になってからは、その文化は当時でもすでに歴史遺産と化していたと思われる。
一方、ルーン文字というのはゲルマン民族であるヴァイキングが使用した文字だ。ヴァイキングの活動時期は約800年から1000年ほどの間だ。航海技術や戦闘武器の発達を背景としているため、その時代はほぼ中世に近い。ルーン石碑も、その多くはその時代に建立されている。
つまり、『吟遊詩人ビードルの物語』の物語は、紀元前のケルト物語が、1000年ほど後に発達したルーン文字で書かれた物語ということになる。「ハリー・ポッター」シリーズで登場する「古代ルーン文字」というものは実際には存在しないが、相当に初期のルーン文字だって紀元200年よりも昔ということはない。なぜ古代ケルトの物語が、当時存在しなかったルーン文字で書かれているのだろうか。
まぁ、いずれにしてもひとつ分かるのは、かようにヨーロッパ文化圏ではルーン文字は「神秘的な文字」という印象が強い、ということだ。ルーン文字の独特の雰囲気は、ハリー・ポッターシリーズの魔法界の印象を形づくるアイテムとして、重要な役割を果たしている。
「ハリー・ポッター」シリーズの魔法学校の授業として使われているように、ルーン文字というのは欧州文化圏の人々にとって「なんか古代っぽい、ミステリアスな文字」という印象のあるものらしい。言語的にはルーン文字はアルファベットと同じ表音文字だが、それぞれの文字に意味がこめられている。ルーン文字のアルファベットを、最初の6文字をとって「フサルク」というが、それぞれのフサルクには発音の他に、名称と意味が設定されている。 その神秘的なイメージから、神託や占いにもよく使われていたらしい。ルーン文字の「ルーン」の語源は、ルーナ(runa)。「秘密」という意味だ。
まぁ、ハーマイオニーほど勉学に勤勉ではない僕も、一応、言語学者の端くれ。ルーン文字の解読くらいはできるかな、と思って日比谷公園の石碑を解析してみた。
まず石碑に書かれているルーン文字を単語ごとに区切って転写してみると、次のようなものになる。
なんかシャーロック・ホームズの「踊る人形」みたいな作業。
この文字列をラテン文字(アルファベット)に変換すると、次のようになる。どうやらスウェーデン語らしい。ちなみに角カッコ [ ] の表記は現代スウェーデン語の正書法。
これでOWL試験もばっちり。
なかにローマ数字(XXIV「24」、MCMLVII「1957」)が使われており、これはそのまま読める。また、skandinaverは「スカンジナビア」、japanは「日本」、europaは「欧州」、nordpolenは「北極」、februariは「2月」だろう。このくらいの見当はつく。
でも僕はスウェーデン語が読めないので、辞書と参考文献を借りようと思って国立国会図書館に行ってみた。日比谷公園から外務省横の坂を上って、国会議事堂を過ぎたところに国立国会図書館がある。便利な場所だ。
でも僕はスウェーデン語が読めないので、辞書と参考文献を借りようと思って国立国会図書館に行ってみた。日比谷公園から外務省横の坂を上って、国会議事堂を過ぎたところに国立国会図書館がある。便利な場所だ。
ところが国会図書館がまさかの新型コロナウィルス流行に際し臨時休館。
そ、そりゃそうですよね・・・。
仕方ないので、近くにある某大学図書館に足を運び、参考図書を借りた。
そこでスウェーデン語を調べながら訳してみると、石碑に書いてあったのは
という内容。
そこでスウェーデン語を調べながら訳してみると、石碑に書いてあったのは
スカンジナビアの人々が、1957年2月24日、日本とヨーロッパ間に北極経由の航路を開き、その10年後に記念としてこの石碑を建てた
という内容。
特に新しい情報はありませんでしたね。
(な、泣いてないっす・・・)
でも、内容と石碑の存在意義が噛み合ってない気がする。
もともとルーン石碑というのは、北欧のヴァイキングの方々が「征服の証」として残していたものだ。これを日本に置いたというのは、日本は北欧諸国の軍門に下った、という意味になりはしないか。文面に書いてあるような、友好の証としてルーン石碑を使うというのはいかがなものか。
まぁ、そこまで固く考えることもあるまい。現在、北欧諸国ではルーン文字は一種の文化遺産扱いをされており、占いでも使われている。日本とスカンジナビアの友好の証として、なにか置物か記念物を、と考えて「いかにもスカンジナビアっぽいもの」と考えた時、ルーン石碑はどうだろうか、という感じだったのだと思う。まぁ、一種のジョークと考えればよいものだろう。
そんなことよりも、「ハリー・ポッター」シリーズの、『吟遊詩人ビードルの物語』(The Tales of Beedle the Bard)のほうが気になった。
この本は作中書物だが、スピンオフとして2008年に実際に出版されている。日本でも翻訳が出版されており、マニアには必須の本らしい。作中世界では、原著はルーン文字で書かれており、2008年にハーマイオニーが現代英語に翻訳した、ということになっている。
この物語は、イギリス魔法界に古くから伝わる寓話・童話を集めた作品集ということになっている。原題の「Bard」というのは吟遊詩人のことだが、一般的にはケルトの吟遊詩人のことを指す。おそらく、収録されている童話や寓話も、主にケルト民族の物語を下地にしているのだろう。
もともとルーン石碑というのは、北欧のヴァイキングの方々が「征服の証」として残していたものだ。これを日本に置いたというのは、日本は北欧諸国の軍門に下った、という意味になりはしないか。文面に書いてあるような、友好の証としてルーン石碑を使うというのはいかがなものか。
まぁ、そこまで固く考えることもあるまい。現在、北欧諸国ではルーン文字は一種の文化遺産扱いをされており、占いでも使われている。日本とスカンジナビアの友好の証として、なにか置物か記念物を、と考えて「いかにもスカンジナビアっぽいもの」と考えた時、ルーン石碑はどうだろうか、という感じだったのだと思う。まぁ、一種のジョークと考えればよいものだろう。
そんなことよりも、「ハリー・ポッター」シリーズの、『吟遊詩人ビードルの物語』(The Tales of Beedle the Bard)のほうが気になった。
この本は作中書物だが、スピンオフとして2008年に実際に出版されている。日本でも翻訳が出版されており、マニアには必須の本らしい。作中世界では、原著はルーン文字で書かれており、2008年にハーマイオニーが現代英語に翻訳した、ということになっている。
この物語は、イギリス魔法界に古くから伝わる寓話・童話を集めた作品集ということになっている。原題の「Bard」というのは吟遊詩人のことだが、一般的にはケルトの吟遊詩人のことを指す。おそらく、収録されている童話や寓話も、主にケルト民族の物語を下地にしているのだろう。
OEDの記述。「ancient Celtic」と明記してある。
ところが、そう考えると時代が合わない。
ケルト文化というのは、現在のイギリス、フランス、ドイツ、東欧圏に広がっていたケルト人の活動領域に包括される文化を指す。古代ローマで「ガリア人」と称されていた民族ではないか、という説もある。現在のアイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォールあたりにケルトの文化遺産が残されている。
現在ではイギリス系の印象が強いが、ケルト語はインド・ヨーロッパ語族なので、ケルト人もおそらくは大陸由来だろう。ケルト文化がヨーロッパで発展したのは青銅器時代、およそ紀元前1200年くらいだ。かなり歴史の古い民族といえる。
それが、ローマ帝国、ゲルマン民族の侵攻を受け、衰退に向かったのが紀元前1世紀ごろ。紀元後になってからは、その文化は当時でもすでに歴史遺産と化していたと思われる。
一方、ルーン文字というのはゲルマン民族であるヴァイキングが使用した文字だ。ヴァイキングの活動時期は約800年から1000年ほどの間だ。航海技術や戦闘武器の発達を背景としているため、その時代はほぼ中世に近い。ルーン石碑も、その多くはその時代に建立されている。
つまり、『吟遊詩人ビードルの物語』の物語は、紀元前のケルト物語が、1000年ほど後に発達したルーン文字で書かれた物語ということになる。「ハリー・ポッター」シリーズで登場する「古代ルーン文字」というものは実際には存在しないが、相当に初期のルーン文字だって紀元200年よりも昔ということはない。なぜ古代ケルトの物語が、当時存在しなかったルーン文字で書かれているのだろうか。
また、ケルト民族にとってゲルマン民族は侵略民族にあたる。ケルト民族とヴァイキングは時代が合わないが、一応民族上、被征服者と征服者の関係にある。歴史の古いケルト文化の童話や物語を、征服者の言語であるルーン文字で書き残す、というのはどう考えても不自然だ。
日比谷公園の石碑だって、アルファベットに書き下したらスウェーデン語だった。『吟遊詩人ビードルの物語』は、記述文字としてはルーン文字で書いてあるとして、その文字はいったい何語を表記したものだったのだろうか。
この謎を解く鍵のひとつは、題名に使われている「Bard」(吟遊詩人)という単語だ。
ひとつの考え方だが、『吟遊詩人ビードルの物語』は古代ケルト文化を題材としていながら、本として編纂されたのはそれほど昔ではない、ということだろう。先に挙げたOEDの記載によると、現存している資料のなかで「Bard」という言葉の初出例は15世紀だ。しかも引用例を見てみると、17世紀中盤までは「Baird」「Barth」「Bardh」など、綴りが一定ではない。ようやく「Bard」に綴りが定まったらしい最初の例は、1627年の資料だ。もし『吟遊詩人ビードルの物語』の英語表記がThe Tales of Beedle the Bardだったとしたら、この物語は少なくとも17世紀以降に書かれたことになる。そうだとしたら、当時すでに死滅語となっていたルーン文字で記されていても、いちおう時代的な辻褄は合う。
まぁ、いずれにしてもひとつ分かるのは、かようにヨーロッパ文化圏ではルーン文字は「神秘的な文字」という印象が強い、ということだ。ルーン文字の独特の雰囲気は、ハリー・ポッターシリーズの魔法界の印象を形づくるアイテムとして、重要な役割を果たしている。
ところが、謎の石碑、神秘的な古文書を、苦労して解読してみても、その内容は「そんなことは知ってるぞ」という程度のもの、ということは多い。まぁ、神秘というものは、暴いてみれば、そんなものなのだろう。
外務省横の桜がきれいでした。
春休みの自由研究としては中級くらいの難易度だろうか。