たくろふのつぶやき

お鍋には熱燗をつけてくれたまへ。

2011年04月

海外インターンから帰国した学生さんたちが、これからの大学生活を思い悩んでいるようでして。


海外インターンというのは、春休みの2ヶ月間、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏の国の小中学校に派遣され、現地の学校で日本語や日本文化を教えてくる制度です。
奨学金が出ることもあって、学生に人気のあるプログラムです。もちろん倍率も高く、かなりの競争を勝ち抜いて、ようやくインターンに選抜されます。

インターンに派遣されるのは2月はじめ。大学の期末試験が終わるとすぐに出発です。
2, 3月の二ヶ月間インターンに従事し、帰国するのは4月2週目。もう大学では授業が始まっています。
つまり、インターンの学生はまったく春休みにのんびりする時間がないまま、新学年がはじまります。

海外インターンに出発する前は、学生さんたちも意識が高揚し興奮してますので、人生に迷い無しです。
しかし帰国して、すでに新学年の授業が始まっており、さてこれから卒業後の進路に向けて何をすればいいのだろう、と考えると、ふと虚脱状態に陥ってしまうようです。
憑き物が落ちてしまうようなものでしょう。大きな目標を達成した後によく起こる「祭のあと症候群」です。

これじゃいかん、と学生さんたちも自分の将来の進路について思いを巡らせているようです。
つらつらと考えるうちに、特定の資格取得、試験合格を目指すようになります。
その勉強のしかたについて、学生さんから相談を受けることが多くなりました。

僕はこういうとき、同じ目標をもつ学生同士でグループを作らせ、定期的な勉強会を開かせます。
勉強というのは、ひとりでやるとしんどいものです。同じ目標をもつ仲間同士で、競い合い、助け合い、刺激を与え合って勉強する環境をつくると、気合が長持ちします。
僕も学生時代、大学院を受験しようと決めたとき、研究室の教授に「勉強会を作れ」と言われて、仲間同士で勉強に励んだものです。

大学3, 4年生ともなれば、大学側が用意してくれる授業に出て受け身で勉強する段階は、終わりでしょう。自分に何が必要なのかを考え、自分で授業を作るくらいの姿勢が必要だと思います。
だから僕は、学生さんが本気で勉強したいのであれば、それに対する援助は惜しまないつもりでいます。それが大学教師の仕事だと思っています。

僕は、研究室のテーブルの上に物を置きません。いつもフラットに空けています。
学生さんが「勉強したい」と言い出したとき、僕にはそのすべてを指導する余力はありませんが、勉強をする環境をつくってあげることはできます。
学生さんがみんなで勉強したいと思ったときに、いつでも研究室で勉強会ができるように、僕の研究室はあまり物を置かずに、勉強しやすい環境にしてあります。勉強するために研究室を使いたいんであれば、いくらでも使いなさい。

学生さんたちが、勉強会を開くために必要なものをいろいろと話し合っています。
僕も学生の頃を思い出しますなぁ。みんなで勉強するの、結構楽しいんですよね。



「先生、研究室に炊飯器を置いといていいですか?」




ちょっと待て。なぜそうなる。



何をするつもりだお前ら

大学の公務分掌で、学生相談室の運営委員会なるものに入ってまして。


大学の医務室のとなりには、学生の心のケアをするために学生相談室というものがあります。
学業や進路の原因で鬱になった学生に、相談員が対応する施設です。

むかし僕が学生だった頃に比べると、学生の精神的な問題というのはすごく増えているんですね。
ここ数年の相談室の相談件数を見ると、みるみる増えてるんです。
大学内に、そういう相談室が設けられるのも当然といえば当然なんでしょう。
週に数回、専門のカウンセラーが来校して学生に応対します。

しかし、カウンセラーが勤務していない時間帯もありますので、そういう時間帯には運営委員の教員が交代で詰めています。
まぁ、事務員さんはいますので、基本的には研究室待機です。カウンセラーさんがいないときに学生が相談に訪れたら、当番時間の教員の研究室に電話が入ります。
まぁ、僕もその仕事をしろ、というお達しなんですが



いいの、俺で?



なにせこちとら生まれてこのかた一度も鬱になったことのないノーテンキ者ですよ。
生粋の体育会系なので、生活姿勢の基本は「気合」ですよ。
「悩むなら飲め」みたいなアドバイスしかできそうもないんですが、いいんでしょうかこんなんで。

鬱病は対処の仕方が難しいので、大学教員はその対処法を一応教わります。
鬱の学生に「がんばってね」って言っちゃいけないんですよね。「ああ、今オレはがんばっていないのか」と受け取られて、余計落ち込ませてしまうのだそうです。
カウンセラーの先生曰く、「問題を頭で解決しようとしないで、現状を聞いてあげて、共感してあげてください」だそうです。助言が正論であればあるほど、鬱病患者を追いつめるのだとか。
ふーん、じゃあ基本的には頷き魔でいいのか。

で、最初の委員会で待機当番の時間の割り振りを行いまして。
お昼の時間帯、2, 3, 4限あたりは、基本的にみなさん授業が入っています。
だから夕方以降か早朝しか待機できる時間がないわけです。

大学の先生なんてものは、ふつう授業の直前になってノコノコ出勤します。たとえば授業が午後からしか入っていなければ、朝には出勤しません。定時出勤の仕事ではないので、授業が始まる前に出勤しさえすればいいわけです。だから、「授業も入っていないのに朝イチで出勤する」などという教員は、まぁ基本的には、いないわけです。

ちなみに僕は、授業が入っていようがいまいが、朝は8時前には出勤しています。



だって寝坊すると嫁さんが朝ごはんつくってくれないんだもん。<<共働き  



そんなこんなで、僕は朝の1限には研究室で仕事をしてることが多いわけです。
なので、学生相談室の待機時間には、朝1限の時間を希望しておきました。


「たくろふ先生、学生相談室の待機時間ですが、毎週月曜日の朝9時から11時までをお願いします」





月曜の朝9時に大学に来る学生は、絶対に鬱ではないと思うのですが。





なにそのやる気のある学生しか来れない時間帯。

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