たくろふのつぶやき

春は揚げ物。

2009年09月

すごく素直な子。

留学生相手に日本語を教えているんですが


どこの大学でも事情は似たり寄ったりだと思いますが、大学の語学系の授業というのは非常勤の先生が多いもんです。
留学生対象の日本語の授業もご多分に漏れず、レギュラーの日本語の授業は非常勤の先生方に受け持っていただいてるコマがたくさんあります。

非常勤の先生は毎日大学に出校しているわけではないので、授業の担当に小回りが効きません。出校日との調整があわなかったら、大学としては交通費を余計に払わなければならなくなります。突然、必要に駆られて授業を開講したときなどは、非常勤の先生にいきなり担当してもらうのは難しいもんです。

いきおい、そういう時には常勤に授業の分担が廻ってきます。
今学期も、一学期間だけ来校している提携校からの交換留学生を相手に、初歩の日本語の授業を即席で受け持つ羽目になりました。



アメリカとフランスからの、女の子ばかり数名




ふむ。



いや、しょうがないなぁ。
学務課がどうしても授業を担当してくれ、と言うから、ほら。
せっかく日本に勉強しに来ているから初級から日本語文法をみっちり勉強したい、そうだから。


学生というのはこういう噂を聞きつけるのがホントに早いですね。
僕の一般言語学の授業や英語の授業に出ている学生どもが、わらわらと群がってきます。

「先生ー、アメリカから女子大生が交換留学してきてるんですよね?どんなコですか?」




うん、

僕よりもでかい体した頑丈そうな女の子だよ。



ちなみにワタクシめは181cmのラグビー部出身であります

eの驚異

銀行員をやっている昔の友人から面白い話を聞いた。


金融関係者の間で、俗に「0.7法則」といわれている簡単な利子計算の方法があるのだそうだ。「利子率と年数を掛けて0.7になるとき、ちょうど借金が2倍になる」というものだ。
たとえば、利子率10パーセント(0.1)で7年お金を借りると、掛けた値がちょうど0.7となって借金が倍になる。
利子率が2パーセント(0.02)だと、35年借りるとちょうど0.7になって借金が倍になる。

どうしてこの公式が成り立つのか。
利子率をx, 年数をmとすると、N万円の借金は、

N × (1+x)m

となる。
この公式を展開すると、次のように近似する。

51099e08.jpg


利子率xと年数mをかけたmxが0.7ということは、これを近似値に代入してみると、

731de9f8.jpg


となり、だいたい2倍の値となる。


この計算は、いったい何をしているのか。
借金をした場合、一年ごとに利子がかかるとすると、2年目の利子には、1年目に加えられた利子が上乗せされた分にも利子がかかる。つまり、利子は年々大きくなっていく。
年利を細かく分割して、短い期間ごとに掛けていくと、結局利子はどのように増えていくのか。

年利xパーセントに対して計算してみると、半年x/2だけ利子が掛かる場合、1/3ごとにx/3だけ利子がかかる場合、と次々に計算していくと、結果はこうなる。

b4a2eb23.jpg


この式を一般的に書くと、次のようなきれいな多項式に収斂する。

de796b2c.jpg


この数を「ネイピア数」という。
各数の階乗の逆数を、次々に足していった数のことだ。
18世紀最高の数学者と謳われる、レオンハルト・オイラーが発見した。

オイラーは、直感的に理解しにくい「無理数」という数にまつわる面白いことをたくさん発見している。このネイピア数に注目した数学者は当時もたくさんいたが、これにeという記号を与えて定義し、 無理数であることを示したのはオイラーだ。その値はおよそ2.71828。これは自然対数の底としても使われている。

このネイピア数は、決して数学の世界だけで通じる魔法の数というわけではなく、数理科学にまつわるあらゆる分野で最重要事項の数として利用されている。物理現象、生物現象、社会現象、統計学,あらゆるところにこのネイピア数を利用した公式が顔を出す。借金の利率計算にも使われているくらいだから、その威力は推して知るべしだろう。


それを教えてくれた友達は、まぁ、僕の友人であるくらいだから、あまり品のよくない遊びを好む奴だ。一流銀行に勤めている身分で、いい歳をして、しょっちゅう女の子と合コンをしている。
その合コンのときの「成功確率」には、面白い一般性があるのだそうだ。
何をもって合コンの「成功」というのは、敢えて聞かなかった。

条件として、男女それぞれが談合をして、自分が目を付けた相手が重複しないようにする。友人の言うには、この談合をきっちり行うのが大事なのだそうだ。
合コンの間におしゃべりをしたり感触を確かめたりして、相手を決める。
そのとき、1組もカップルが成立しない確率はどのくらいだろうか。

この問題を分かりやすく言い換えると、次のような告白タイムになる。
まず、女性が一列に横並びする。そこへ、男どもが目を付けた女性の前にそれぞれ立つ。
しかるのち、自分の前に立った男が目当ての男でなかった場合、女性のほうが目当ての男性の前に移動する。
そのとき、女性が全員移動する確率はどのくらいになるか。

これを学校の確率統計の問題に翻訳すると、次のような問題になる。
1からnまで番号がふってあるn個の箱に、やはり1からnまで番号を振ってあるn個のボールを、ひとつづつ入れる。
すべての箱に、自分の箱の番号と異なる番号のボールが入る確率は、どれくらいになるか。
原理的には同じ問題だ。どうせ同じ問題だったら、合コンの場合のほうが気合を入れて計算できる。

話を簡単にするために、男女4人ずつの合コンの場合を想定する。
すると、女の子Aに男Aが思惑通りにつく可能性は、当然1/4になる。他の男女ペアの場合も同様だから、単純に考えれば、1/4の可能性が4通り、あわせて1となる。

ところが、この計算では男A女Aがくっつく事象P(A)と、男B女Bがくっつく可能性P(B)を、重複して数えている。このような重複部分(A&B, A&C, A&D, B&C, B&D, C&D, A&B&C, A&B&D, A&C&D, B&C&D, A&B&C&D)をそれぞれ引かなくてはならない。
すると、求める「全滅する確率」は、

7ee00c68.jpg


となる。
これを一般化すると、

33fb4024.jpg


と表せる。
驚くことに、なんとこれはネイピア数の逆数になっている。
ネイピア数の逆数は訳0.367...となる。逆に考えると、合コンで少なくとも男1人が望みの女の子をお持ち帰りできる確率は、約65パーセントになる。かなりの確率だろう。
我々男子諸君にとっては大いに発奮材料となる数字ではないか。


住宅ローンの借金の増え方と、合コンの成功確率という、一見何の関係もなさそうな現象に、同じ公式が働いているのが面白い。
友人はこれを示して、「合コンで女の子をお持ち帰りできる可能性と、結婚するハメになって住宅ローンを組むときの借金は、表裏一体の関係なんだ」などと、わけの分からないことを言っていた。どうせ調子にのって女の子に手をだしまくり、結婚を迫られる危機を感じたことがあるのだろう。自業自得だ。

おそらく、このネイピア数を発見したオイラーは、世の中のしくみをデザインした神の意志を感じたと思う。世の中は一体どのように作られているのか。その創造主の意思を知る努力として、哲学と近代科学は進展してきた。雑多な現象に共通点をみつけそれを一般形で記述する営みは、科学の基本となる方策だ。それがこうも美しく収束する様は、驚嘆に値する。


ちなみに件の友人は、気に入った女の子の教養レベルが高いと、ふたりだけでしっとりとしたバーに連れ出したときにこの話をすることがあるそうだ。
女の子が尊敬のまなざしで「 それ、誰が発見したんですか?」と訊くと、


「うん、おいらが発見した」



そのうち、何らかの形で天罰が下ると思う。



オイラーに謝れ

電車ごっこ

370 名前: 名無しって呼んでいいか? [sage] 投稿日: 2009/09/14(月)
散歩で道端を歩いてたら小学生のチビッコ数人が電車ごっこをしていた
先頭の子が「今日は地中海に面した…」とかのナレーション担当で
後の子がガタンゴトンとか列車の効果音担当
真ん中の子達は世界の車窓からのテーマを口ずさんでいる
思わず、なかなかシブイ趣味してるなぁ…と感心してしまったよ




普通に山手線で電車ごっこしろよ

新幹線は大混雑

京都の2日間にわたる研究会から帰ってきました。


発表者のみなさん、開場運営に関わってくれた大学院生のみなさん、企画進行していただいた先生、発表にコメントしてくださった参加者のみなさん、おつかれさまでした。
非常に内容の濃い、楽しい研究会でした。

朝から晩まで研究発表、どれも力の入った研究ばかりで、内容をフォローするだけでもかなり大変です。
研究発表というのは、実は聞いている方よりもやっている方のほうが疲労は少ないんですよね。発表している間はアドレナリンが噴出して一種の興奮状態にありますので、1時間やそこら喋りたおしたところで、どうってことありません。
しかし、座りっぱなしで長時間、受け身で人の話を聞き続けるというのはしんどいもんですね。大学の講義を聞いている学生などは大変だと思います。明日から新学期の授業が始まりますが、ゆめゆめ忘れてはならないことですね。

今回は前からの友達や初めての方など、いろんな人に会いましたが、やっぱりアレですな。
たくつぶのリアル読者の方にお会いするのは、やっぱりなんとなくはずかしいもんですな。

だって、私生活ぜんぶ知られてるようなもんですよ。たくつぶには書きたいことを書き放題に書いているので、そーゆーところを読まれているというのはなんとなく「イヤーン」という気分になってしまうのですよ。

たくつぶの記事から連想する僕の人物像がありますよね。それが「実際に会ってみると感じが違うなぁ」などと思われると、なんかこそばゆい気分になってしまうのですよ。
これから秋にむけて学会シーズンになりますが、どうぞたくつぶ読者のみなさまにおかれましては、お会いしたときに読んでいても知らん振りをしていただければ幸いです。

研究会で頭から煙が噴き出した後は、京都のおいしい地酒をたらふく堪能いたしました。
こういう機会があると、また勉強をがんばろう、って気になりますね。



往々にして「そういう気になる」だけなんですが

いい季節であります

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研究会で京都大学にお邪魔しております。
ペンギン命

takutsubu

ここでもつぶやき
バックナンバー長いよ。
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