12億人、野外で用たし WHO「トイレ事情深刻」
こんなパズルがある。
国や地域における公衆衛生のレベルは、伝染病や感染症の発生率に拠る。では、そうした病気の「発生数」ではなく、そうした病気がどのくらい死に至るのか、病気の「質」に注目した場合、清潔な国と、そうでない国で、病原菌のパワーに違いはあるのだろうか。
公衆衛生が進んだ国では、そうでない国に比べて、伝染病患者ひとりあたりの病気の重さ、致死率に違いはあるのか。
この問題は、病理学や医学の知識なく、論理だけで解ける。
公衆衛生の遅れている国をA, 進んだ国をBとする。Aの国々においては、病原菌やウィルスは宿主(患者)を容赦なく搾取してよい。衛生状態がよくないので、病原菌にとっては宿主の死後も他の宿主に自己の遺伝子を残せる可能性が高い。
ところが公衆衛生の進んだ国Bでは、病原菌は簡単に宿主を殺してしまうわけにはいかない。病原菌が伝播する条件が整っていないため、病原菌にとっては宿主に死なれては、自分も死ぬことになる。そのため、Bの国々では伝染病の病原菌は致死力の弱いものにならざるを得ない。
公衆衛生の重要性は、伝染病の伝播力を弱めるためだけではない。さらに一歩踏み込んで、伝播力が弱い環境が故に、病原菌の力そのものを弱めることにもつながる。実際に同じ病原菌がA, B両方の環境で伝播したときに病原菌を採取して調べたところ、Bの国々のほうが病原菌の力が弱まっていたそうだ。
環境が生命体の力を左右するというのは、科学的な根拠はさておき、なんとなく実感として納得できる。僕はきちんと片付いた机でないと理路整然とした仕事がしにくい。生活環境が乱れた地域で生活していると、規則正しい生活を送ることが難しくなる。なんとなく、生命体にはそういう環境に呼応するようなプログラムがされているような気がする。
で、家の掃除は僕の仕事なわけですが
世界で25億人が衛生的なトイレを使えず、うち12億人は野外で用を足しているとする世界の衛生設備の現状に関する報告書を、世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)がまとめたことが30日、分かった。
報告書は「発展途上国では、不十分な衛生設備を原因とする感染症により、多くの子供の命が奪われている」と指摘。「このままでは『2015年までに、安全な衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減する』との国連のミレニアム開発目標(MDGs)の達成は望めない」と警告し、途上国支援の拡大など対策の強化を求めている。
報告書によると、2006年に衛生的なトイレを継続的に利用できている人は世界全体の62%。利用できない人の数は減少傾向にあるものの、全人口の18%に当たる12億人は野外で用を足すことを迫られているという。
インドやパキスタンなど南アジアでは特に状況が深刻で、全人口の半数近い48%が野外で用を足しているとされた。ほかにもサハラ砂漠以南のアフリカなどの途上国を中心に普及が進んでおらず、現状でこの分野のMDGsを達成するには、7億人分のトイレが不足とみられる。
こんなパズルがある。
国や地域における公衆衛生のレベルは、伝染病や感染症の発生率に拠る。では、そうした病気の「発生数」ではなく、そうした病気がどのくらい死に至るのか、病気の「質」に注目した場合、清潔な国と、そうでない国で、病原菌のパワーに違いはあるのだろうか。
公衆衛生が進んだ国では、そうでない国に比べて、伝染病患者ひとりあたりの病気の重さ、致死率に違いはあるのか。
この問題は、病理学や医学の知識なく、論理だけで解ける。
公衆衛生の遅れている国をA, 進んだ国をBとする。Aの国々においては、病原菌やウィルスは宿主(患者)を容赦なく搾取してよい。衛生状態がよくないので、病原菌にとっては宿主の死後も他の宿主に自己の遺伝子を残せる可能性が高い。
ところが公衆衛生の進んだ国Bでは、病原菌は簡単に宿主を殺してしまうわけにはいかない。病原菌が伝播する条件が整っていないため、病原菌にとっては宿主に死なれては、自分も死ぬことになる。そのため、Bの国々では伝染病の病原菌は致死力の弱いものにならざるを得ない。
公衆衛生の重要性は、伝染病の伝播力を弱めるためだけではない。さらに一歩踏み込んで、伝播力が弱い環境が故に、病原菌の力そのものを弱めることにもつながる。実際に同じ病原菌がA, B両方の環境で伝播したときに病原菌を採取して調べたところ、Bの国々のほうが病原菌の力が弱まっていたそうだ。
環境が生命体の力を左右するというのは、科学的な根拠はさておき、なんとなく実感として納得できる。僕はきちんと片付いた机でないと理路整然とした仕事がしにくい。生活環境が乱れた地域で生活していると、規則正しい生活を送ることが難しくなる。なんとなく、生命体にはそういう環境に呼応するようなプログラムがされているような気がする。