朝は一杯のコーヒーから始まるのであります。
日本の大学院時代から、どの研究室にも必ずコーヒーメーカーがありました。
勉強や仕事をする上で、コーヒーは欠かせないものですね。
そんなわけで僕も自分の研究室にコーヒーメーカーを持ち込んでいます。
いままではインスタントコーヒーばかりだったのに、僕もコーヒーメーカーを使う身分になりましたよ。
就職して、すこし生活のグレードが上がった気分です。
僕は朝が早いので、出勤するとまずコーヒーを入れて、フロアのラウンジでコーヒーをいただくことにしています。
朝一杯のコーヒーは、ながら飲みをしてはいけません。
一杯のコーヒーに集中し、隅々まで味わい、その香りと味を存分に堪能してこそ通であります。
朝早いので、ちょうどフロアの清掃をしている用務員のおばちゃんの休憩時間と重なります。
そのおばちゃんはこの大学で働いてかなり長いらしく、いろんなことをよう知ってます。肝っ玉母ちゃん風の感じです。
新人の僕にとっては非常にためになるおしゃべり相手です。
おそらく僕とは親子ほど年が離れていると思いますが、僕のような若造に「先生」付けで話されると、こっちのほうが照れちゃいます。
「おや、おはようさん」
あどうも。おはようございまーす
「どう、大学はもう慣れた?」
そうですねぇ。もう授業がふた廻りくらいして、だいたい学生さんの感じも分かってきた感じですかね
「最近の学生さんは昔とは変わってきたからねぇ」
そうなんすか
「なんというか、身なりばっかり小洒落た感じになって、ちーっとも覇気がないねぇ。なんか、おとなしくて」
昔の学生さんはもっと剛毅だったんすか
「留年しそうになると、担当の先生に一升瓶持って直談判に行く、とか平気でやってたねぇ。昔の大学は、そういうことを苦笑いしながら許せるようなおおらかさがあったしね」
へぇー。
「ところでたくろふ先生、あんた海外帰りでしょう」
え?そうですけど。
「やっぱりねぇ。留学してた感じがするもんねぇ」
どうして分かったんすか?
「そりゃあね、新任の先生で、新学期始まってひと月も経たないうちにネクタイもスーツも着なくて、Tシャツで授業するなんざ、だいたいアメリカあたりから帰ってきた先生さね」
研究室に置きスーツを用意しておきます。
仕事に一番良い服と判断したものを着ます
日本の大学院時代から、どの研究室にも必ずコーヒーメーカーがありました。
勉強や仕事をする上で、コーヒーは欠かせないものですね。
そんなわけで僕も自分の研究室にコーヒーメーカーを持ち込んでいます。
いままではインスタントコーヒーばかりだったのに、僕もコーヒーメーカーを使う身分になりましたよ。
就職して、すこし生活のグレードが上がった気分です。
僕は朝が早いので、出勤するとまずコーヒーを入れて、フロアのラウンジでコーヒーをいただくことにしています。
朝一杯のコーヒーは、ながら飲みをしてはいけません。
一杯のコーヒーに集中し、隅々まで味わい、その香りと味を存分に堪能してこそ通であります。
朝早いので、ちょうどフロアの清掃をしている用務員のおばちゃんの休憩時間と重なります。
そのおばちゃんはこの大学で働いてかなり長いらしく、いろんなことをよう知ってます。肝っ玉母ちゃん風の感じです。
新人の僕にとっては非常にためになるおしゃべり相手です。
おそらく僕とは親子ほど年が離れていると思いますが、僕のような若造に「先生」付けで話されると、こっちのほうが照れちゃいます。
「おや、おはようさん」
あどうも。おはようございまーす
「どう、大学はもう慣れた?」
そうですねぇ。もう授業がふた廻りくらいして、だいたい学生さんの感じも分かってきた感じですかね
「最近の学生さんは昔とは変わってきたからねぇ」
そうなんすか
「なんというか、身なりばっかり小洒落た感じになって、ちーっとも覇気がないねぇ。なんか、おとなしくて」
昔の学生さんはもっと剛毅だったんすか
「留年しそうになると、担当の先生に一升瓶持って直談判に行く、とか平気でやってたねぇ。昔の大学は、そういうことを苦笑いしながら許せるようなおおらかさがあったしね」
へぇー。
「ところでたくろふ先生、あんた海外帰りでしょう」
え?そうですけど。
「やっぱりねぇ。留学してた感じがするもんねぇ」
どうして分かったんすか?
「そりゃあね、新任の先生で、新学期始まってひと月も経たないうちにネクタイもスーツも着なくて、Tシャツで授業するなんざ、だいたいアメリカあたりから帰ってきた先生さね」
研究室に置きスーツを用意しておきます。