久しぶりにMITに行ってきました。
とりあえず寒いですね。
僕の住んでる街よりも北にあるのでそりゃ寒いでしょうが、確実に1段階、寒さが上です。地方が変わった感があります。
チャールズ・リバーが凍ってるんだもん。
とりあえず何が困るって、Vassar Streetが道路の全面改装工事をしていて路駐ができないというのがトサカにきます。
どこにクルマを停めろっちゅーねん。
アポをとってディスカッションです。
いつもMITに行く時には友達に連絡しておいて、夜に一緒に飲みに行くんですが、今回は前後に用事が詰まっていたため時間がありませんでした。
ホントに、行って帰ってきただけです。
せっかくボストンに行くのに、アポだけ済ませて帰ってくるってどうよ。
ボストンに行く時は、ウキウキの観光気分で行きたいものです。「どこらへんを叩かれるかなぁ」とかじゃなくて。
MITに行くたびにいつも思うんですが。
言語学科の入ってるBuilding 32, あれ何とかなりませんかね。
いっつも迷うんですよ。
中がまるで迷路なんですよ。
どこがどこにどうつながってるのか、全然分からないんですよ。
階ごとに部屋の場所もレイアウトも全然違うし。
エレベーターをおりて、うろうろ迷って、エレベーターに戻ってきたら、違う階になってたりするんですよ。
ふつうの教室だろうと思ってドアを開けてみると外だったりするし。
MITの学生さんはよく迷わないなぁと思います。
で、今日も今日とて建物の中で迷子になりまして。
アポをとっている部屋は何回も行ってるからすぐ分かるんですが、なんかBuilding 32に行くたびに、建物の全体像が掴めないのが負けた気分になるので、「今日こそメンタルマップを完成してくれる」と意気込んで行ったわけですよ。
まぁ、また惨敗しましたけどね。
大人になってまで建物の中で迷子になるってのはそうそうできる経験じゃないぞ。
建物は普通に四角く作ろうぜ。
ていうか、俺、何しに来たんだ。
どうもー。こんちはー。
「おう、久しぶりー。どう?調子は」
いやいや、ここに来るまでに早速へこんじゃいました。
「どうしたん?」
ここの建物で、下をうろつきまわってたら迷子になりました。
「また?」
また?はないでしょう。
アポは小一時間、みっちり稽古をつけてもらいました。
意味論をやってる人なら誰でも、Treeをぱっと見てcompositionalの計算がすぐできる・・・というわけではないんですが、世の中、別格の人ってのはいるんですね。初見のTreeとLexiconだけを見て、ラムダ演算をあっという間に暗算するんです。しかも計算を間違えないし。化け物かと。
僕は比較的ラムダ計算は速い方だと思いますが、それでも埋め込みやら移動やらスコープ関係やらをガンガン使ってある複雑なtreeの暗算はまだ無理です。少なくともフェイズ単位くらいで計算を書き留めないと、こんがらがってしまいます。
ふつう意味論の計算ドリルとしては、Heim & Kratzer (1998)のテキストを使うと思いますが、あの本のExerciseをいっこいっこ手計算でやっているうちは、人の発表をリアルタイムでフォローするのは無理です。それぞれのExerciseを、ぱっと見た瞬間に暗算で真理条件までくみ上げられるくらいまで何回も解き込まないと、あの本を会得したことにはなりません。単文のラムダ計算が暗算でできる頃には、本がボロボロになってるはずです。
みっちりとディスカッションをしまして、軽く知恵熱を出しながら辞去しました。
1階のラウンジで、忘れないうちに重要なポイントをノートに走り書きします。
帰りにちょいとMIT Pressにだけ寄りました。
なんか本のラインナップが極端に変わりましたね。いままで買おうかなと思って放っておいた本が、軒並み消えてる。売れちゃっただけかな。