夜、ヒマだったのでなんか面白いことはないかなぁと思い、ふらっとモールに行ってきましたら、ちょうど映画館でPirates of the Caribbean: At World's End(『パイレーツ・オブ・カリビアン、世界の果て」)をやってたので観てきました。
面白かったですよ。
ストーリーどうのこうのよりも、「海賊」という世界観そのものに充分に浸れる作品だと思います。もともとディズニーランドの『カリブの海賊』のモチーフを映画化したものですし。
海を舞台とする水の映画なので、夏の映画としては最適じゃないでしょうか。
この映画は前作2つ「The Curse of the Black Pearl(呪われた海賊たち)」「Dead Man's Chest(デッドマンズ・チェスト)」のあとにつづく完結編で、しかも全編を通してひとつの話になっている糸物語です。だから前2作を観ていないと話が分かりにくいと思います。とくに、物語のキーマンのひとりであるウィリアム・ターナー・ジュニアの行動原理は、第一作からのジャック・スパロウやエリザベス・スワンとの関係を知らないと意味不明でしょう。誰と誰が同盟関係にあって、誰がどういう理由で誰を裏切るのか、利害関係が複雑に絡まっています。
去年の前作「デッドマンズ・チェスト」では、幽霊船フライング・ダッチマンの船長、デイヴィ・ジョーンズが一番の敵でしたが、今作ではより本質的な敵との直接対決になります。すなわち、海賊一掃を目論むイギリス・東インド会社のベケット卿。ヤな奴だなー。
前作の最後に、デイヴィ・ジョーンズは自分の心臓のはいった宝箱をベケット卿に握られたため、彼にいいように操られて海賊船を討伐する手先になり下がってます。殲滅の危機に瀕した7つの海の海賊が結託し、東インド会社に戦いを挑む、というのが今回の大きな話の枠になってます。
物語としてのインパクトよりも、今回は(も)映像のインパクトのほうが大きいですね。最後の場面で、大きな海中の渦に巻き込まれながら2艘の船が繰り広げる戦闘は圧巻です。どうやって撮ったんだろ。
でもインパクトと言うなら、一番ショッキングなのは、冒頭の連続絞首刑の場面でしょうね。このシーンが原因で、アメリカではこの映画は年齢制限による保護者同伴の制約がついてます。デイヴィ・ジョーンズを操るベケット卿は次々と海賊および協力者を捕縛し、絞首台に送ります。ひとりの子供が絞首刑に処される前に歌を歌い、その歌声に処刑予定者が次々と呼応し、大合唱になります。弾圧に対抗し、海賊の一致団結を呼びかける歌です。その歌で物語が始まります。
相変わらずジョニー・デップ上手いなぁ。主人公ジャック・スパロウを演じて間然とするところがない。飄々としていながら肝心な場面で相手に痛恨の一撃をくらわし、さっと逃げる立ち振る舞いはさすがですね。今作でも何人もの敵役が“Damn you, Jack Sparrow!(おのれ、ジャック・スパロウめ!)”と叫んでます。
登場人物のほとんどはイギリスの東インド会社関係という設定なので、みんなイギリス英語です。慣れてない僕にはちょっと聞き取りにくい。アメリカ英語を喋ってたのは、ジャック・スパロウと、彼の部下のうちのひとりくらいじゃないかなぁ。シンガポールに寄港した場面では、ワレワレに馴染みのあるアジア訛りの英語が飛び交ってます。
もともと海賊ものは英語が聞き取りにくいんですよね。舞台がカリブ海になることが多いので、南部なまりの強い英語が多いし、ところどころにスペイン語の単語も入ってます。ディズニーランドの『カリブの海賊』の英語なんて、壊滅的に分かりません。何しゃべてんのかさっぱり分からん。
ディズニーランドといえば、今回の「パイレーツ・オブ・カリビアン」の完結を踏まえて、東京ディズニーランドの『カリブの海賊』が映画の内容に近くなってリニューアルされるそうですね。ジャック・スパロウが街をうろうろするんだそうです。7月20日にリニューアルオープンらしいので、この夏のディズニーランドは、それ以降に行ってこようかと思います。
とりあえず僕も気持ちだけ海賊になったので、また週末に海にでも行ってこようかな。