たくろふのつぶやき

お鍋には熱燗をつけてくれたまへ。

2004年09月

TA (Teaching Assistant)の授業。

Zeljkoが学部生相手に言語学のイントロの授業。音声学、音韻論、形態論、統語論、言語習得と、一通りの基本をみっちり教える授業。「言語学っていうのはこういう問題に取り組んでいるんだぞ」というのがわかりやすく俯瞰できる。僕は学生の質問受付係、成績管理、試験や小テストの採点などが仕事なので、授業も一緒に受けている。

僕自身も学部生のころは「英語学概論」「言語学1」のような入門コースを結構受講したけど、当時、難しかった気がしたなぁ。アメリカに来て学部生の授業を聞いていると、学部生の頃に取っていた概論の授業を思い出す。

Zeljkoはかなりのマシンガントークで板書の字も解読不可能なレベルに近いが、授業そのものは非常によく構成されている。今日の授業で大事なポイントはどこか、ある原理を覚えるための具体的なわかりやすい代表例は何か、など、学部生にとってはかなり理解しやすい授業だろう。

えーと今日はPhonologyか。

「今日は「feature(素性・そせい)」という概念を勉強しよう。これは音韻論だけに限らず言語学、ひいては科学一般にも共通して大事な概念だからよく覚えておくように」

ふふふん。

「えー素性というのは音をそれぞれの特徴に分解したもので、音よりも小さいレベルと思ってくれればいい」

ふふふん。

「理論的には、小さい順に、素性、音素、音節、そして単語となる。次回の授業では「音節」について勉強する予定になってる」

ふふふん。

「えーと私は次回の授業は学会の出張で来られないので、音節に関する授業はTAのたくろふがしてくれることになる。音節も大事な概念なので、たくろふの授業をよく聞いておくように」

ふふふん。








ロケット 今、何と!? ロケット





このワタクシめに。
人前で発表すると舌どころか喉も噛む勢いのたくろふに。



学部生の授業をしろと!?


しかもPhonologyかよ!?



音節構造ってどんなんだっけ。やべー復習しておかなきゃ。
いかんなーZeljkoみたいに素手で授業できるわけないから、ばっちりハンドアウト作って行って「見りゃ分かるだろ」みたいにしていかないと。はぁぁぁ。練習問題も挟んで時間をつなぐか。宿題に関するコメントでもして時間をとるってゆー手もあるな。




ってそもそも



いいのかよZeljkoオレに授業やらせて。
自分がmake-up classやりたくねーのか?


授業後。

「というわけなので、よろしく頼むぞ。ワハハハ」


ワハハハじゃねぇ怒


さーて、教壇に立つのはいつ以来だろう。

やっとデザインが3カラムから2カラムに変更できるようになりました。

これで前よりもゆったりとしたスペースになりますね。
なんか狭くて窮屈な感じだったもん。何を考えてリニューアルしたんだろう。


しかしそのかわりコメントの編集や絵文字、写真の編集などができなくなってるのはなぜだろう。

指導教官とアポ。

ここのところ、ずーっと限定詞の意味解釈を追っている。一般量化子理論なんてのは確かに叩き台としてはいいのかもしれないけど、結局、経験的には反例のほうが多いのであって、中にはそうそう二つの集合感の関係、とだけでは捉えられない限定詞もある。そのほうが多いかも。

とくに日本語は形容詞、限定詞、副詞の境界が曖昧な語彙がある。この間の夏に日本の大学に戻って今のトピックを進めてたら、どうも形容詞、中でも程度表現に関わるものがコアなものになっていそういだ、ということまでは分かった。毎晩、国分町を飲み歩いてばっかりいたわけじゃないんですよ。まぁ日本語では「机が1メートル長い」と言ったら、それは机の長さが1メートルなんじゃなくて、机の長さが何かに比べてそれよりも1メートル長い、という意味になる。どっからそういう意味が出てくるのかは形容詞の意味次第なんだろう。

というわけで僕にはめずらしく日本語を扱うことに。僕の指導教官は当然、日本語が分からないので、データはしっかりとジャッジができているものを用意。


えーとですね、基本データは「学生がたくさんの本を読み過ぎた (Gakusei-ga takusan-no hon-wo yomi-sugi-ta)」という文でして。

「ちょっと待って。もう一回読んでみて」

ん?「学生がたくさんの本をよみすぎた」。

「もう一回。『たくさんの』って言ってみて」

・・・「たくさんの」
なんか僕の名前にさん付けされてるみたいで座り悪いな。

「うーん」

なんかおかしいっすか?

「ごめんね、ここの話に全く関係ない質問で悪いんだけど・・・。日本語って子音は母音と必ずセットで発音するよね」

は? ええまぁ。

「『たくさんの』っていうときの『く』、母音のuは発音しないの?


なんですと!?


ええと、「たくさん」「たくさん」「たくさん」・・・。


ほんとだ。


「taksan」って発音してる。


日本語は通常、単独で子音になる音はない。「あいうえお」の表を見てもらえればわかるが、子音には必ずa, i, u, e, oのいづれかの母音がくっつく。

しかしたしかに、この「たくさん」の「く」や、「スペイン」の「ス」、「鹿」の「し」などは、母音を発音しないで子音単独の発音になってる。

共通してる特徴は、摩擦音ないしは閉鎖音が連続している環境だということだ。連続してどこかを止めたり擦ったりして音を出すときには、面倒なので最初の音は母音を省略して次の子音の発音に移っちゃうのだろう。

それにしても、僕の指導教官は音声学とは全く無関係の、意味論の専門。それなのに音声学的な知識が必要な「おもしろい現象」に敏感に反応する耳の良さ。プロの言語学者ってのは自分の専門分野どうのこうのじゃなくて、広く一般的に言語に対するアンテナの張り方が常人とは違うんだなぁ。

そう思ってちょっと背筋が寒くなった。

チーズバーガーを食べたら性欲がなくなり提訴
(AZOZ BLOGさま)

むちゃくちゃしてますな。

ミルクシェイクがまずかったのでマクドナルドを爆破した方もいらっしゃるようですし。災難ですなマクドナルド。

ちなみに僕はアメリカに来てからマクドナルドのチキンフィレサンドが好きなんですが、これって日本にもありましたっけ?

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