平成15年度「国語に関する世論調査」の結果について
(文化庁)
<参考>
「なにげに」使う人24% 「一コ上」は過半数 若者言葉が浸透
(京都新聞)
「げきを飛ばす」誤解7割 文化庁の日本語世論調査
(産経新聞)
「檄」「姑息」「憮然」意味取り違え7割…文化庁調査
(読売新聞)
この間書いたばっかりなのに。
なんちゅータイミング。
僕は文化庁の人間でも国語審議会の人間でもありません。
全力で否定。それに関するメールでのツッコミはもう勘弁。
まぁ、なんだ。
7割もの人が違う認識をしてるんだったら、それは明らかに言葉が変化してるということなんだろう。どの新聞を見ても「最近の言葉は乱れてけしからん」という論調を見ない。その程度には言葉に関する世間の認識は成熟してきたということか。
ちょっと以外だったこと。「こちらでお待ちしてください」「先生がおっしゃられたように」「どうぞいただいてください」などの、誤用とされている敬語に関して「気になる」としている人が、前回の平成7年の調査よりも格段に増えている。ありていに言えば、8年前よりもみなさん敬語ができるようになっていらっしゃる。
例外は、「とんでもございません」。これは前回調査と同じ結果で、「気になる」と答えた人の数が極端に少ない。私のまわりでは「とんでもありません」という言い方もよく聞く気がする。
これらの敬語のモトの語は「とんでもない」という形容詞だ。この語は、「とんでも」+「ない」という語構成をしているのではない。最初から「とんでもない」で一語なのだ。「きたない」という形容詞と同様である。つまり本来的には、「とんでもない」の敬語を「とんでもありません」「とんでもございません」と言うことは、「きたない」の敬語を「きたありません」「きたございません」と言っているに等しい。
「とんでもない」を丁寧に言いたければ、「とんでもないことです」「とんでものうございます」で良い。少々煩雑だが、「とんでもないことでございます」でも良いと思う。
おそらく、みんな「とんでもない」を「とんでも」+「ない」という語構成に誤解しているのだろう。このように、そもそもの語構成が後世に誤解されることを言語学用語で「異分析」という。もともと「軽気+球」だったものが「軽+気球」と誤解され、じゃあ大きいものはただの「気球」でいいや、というのが異分析にあたる。英語にも類似した例はあり、a napron,a numpireだったものがan apron, an umpireと誤解された結果 、「エプロン」だの「アンパイア」だのという言葉ができた。
「おかしい」と思う人が20パーセントにも満たないということは、「とんでもございません」はすでに正用法として世間に定着しているといういとだろう。すでに掲載している辞書もあるようだ。今回の文化庁の調査で、またちょっと日本語の流れがわかるかな。
それにしても、「カレシは2コ上でーす」がなぜ悪いんだろう。もともとあれは年齢じゃなくて学年を言う表現じゃなかったか。大人が小さい子供の年齢を尋ねるときの「ぼく、いくつ?」の方が年齢を個数で数える例として引き合いに出すべきだろう。
(文化庁)
<参考>
「なにげに」使う人24% 「一コ上」は過半数 若者言葉が浸透
(京都新聞)
「げきを飛ばす」誤解7割 文化庁の日本語世論調査
(産経新聞)
「檄」「姑息」「憮然」意味取り違え7割…文化庁調査
(読売新聞)
この間書いたばっかりなのに。
なんちゅータイミング。
僕は文化庁の人間でも国語審議会の人間でもありません。
全力で否定。それに関するメールでのツッコミはもう勘弁。
まぁ、なんだ。
7割もの人が違う認識をしてるんだったら、それは明らかに言葉が変化してるということなんだろう。どの新聞を見ても「最近の言葉は乱れてけしからん」という論調を見ない。その程度には言葉に関する世間の認識は成熟してきたということか。
ちょっと以外だったこと。「こちらでお待ちしてください」「先生がおっしゃられたように」「どうぞいただいてください」などの、誤用とされている敬語に関して「気になる」としている人が、前回の平成7年の調査よりも格段に増えている。ありていに言えば、8年前よりもみなさん敬語ができるようになっていらっしゃる。
例外は、「とんでもございません」。これは前回調査と同じ結果で、「気になる」と答えた人の数が極端に少ない。私のまわりでは「とんでもありません」という言い方もよく聞く気がする。
これらの敬語のモトの語は「とんでもない」という形容詞だ。この語は、「とんでも」+「ない」という語構成をしているのではない。最初から「とんでもない」で一語なのだ。「きたない」という形容詞と同様である。つまり本来的には、「とんでもない」の敬語を「とんでもありません」「とんでもございません」と言うことは、「きたない」の敬語を「きたありません」「きたございません」と言っているに等しい。
「とんでもない」を丁寧に言いたければ、「とんでもないことです」「とんでものうございます」で良い。少々煩雑だが、「とんでもないことでございます」でも良いと思う。
おそらく、みんな「とんでもない」を「とんでも」+「ない」という語構成に誤解しているのだろう。このように、そもそもの語構成が後世に誤解されることを言語学用語で「異分析」という。もともと「軽気+球」だったものが「軽+気球」と誤解され、じゃあ大きいものはただの「気球」でいいや、というのが異分析にあたる。英語にも類似した例はあり、a napron,a numpireだったものがan apron, an umpireと誤解された結果 、「エプロン」だの「アンパイア」だのという言葉ができた。
「おかしい」と思う人が20パーセントにも満たないということは、「とんでもございません」はすでに正用法として世間に定着しているといういとだろう。すでに掲載している辞書もあるようだ。今回の文化庁の調査で、またちょっと日本語の流れがわかるかな。
それにしても、「カレシは2コ上でーす」がなぜ悪いんだろう。もともとあれは年齢じゃなくて学年を言う表現じゃなかったか。大人が小さい子供の年齢を尋ねるときの「ぼく、いくつ?」の方が年齢を個数で数える例として引き合いに出すべきだろう。