講談社ブルーバックスからちょっと面白い本が出てましてね。


x教授殺害

『数学ミステリー X教授を殺したのはだれだ!』
(トドリス・アンドリオプロス、タナシス・グキオカス著) 


殺人事件の捜査に見立てたミステリー仕立てで、手がかりがすべて数学の問題で与えられている、という本です。 数学もこうやって導入すると面白いですね。マンガだから子供にも読みやすそう。

犠牲者として殺される被害者役は、ヒルベルト。動機もそれらしく史実を本歌取りして拵えています。
ちなみに、探偵役はクルト・ゲーデル。彼が探偵役という段階ですでにオチは見えているような気がします。だってどうせ不完全性定理からのアレでしょ。
まぁ、それはさておき。

登場する「容疑者」は、デカルト、フェルマー、ニュートン、ライプニッツ、オイラー、ガウス、リーマンなど、みんな歴代の錚々たる数学者。時代考証もへったくれもありません。彼らが身の潔白を主張するための根拠がみんな数学の問題になっており、それを解くことによって犯人か否かを判断するパズルです。
問題とは別に、それぞれの数学者の個人的なエピソードなどをちょろっと挟んで紹介しているあたり、数学への興味関心をかきたてる工夫がしてあります。

数学の問題そのものは、まぁ、中学程度の数学知識があれば解けるものですが、ちょっとひと工夫必要な問題もあって、なかなかの良問が揃っています。単純にパズルとして楽しめる本といえましょう。

その問題の中に、こんなのがありました。


フェルマー

容疑者はピエール・フェルマーね。 


設定として、犯行現場はM地点です。
つまり、逃走経路としてM-O-Lか、M-K-Lの折れ線の距離を求める問題です。この距離が20以上であれば、ピエールは犯人ではありえない、という設定です。

実はこれ、僕は解けませんでした。中学程度の幾何に遅れをとるとは何たる不覚。
答えを見てみたら、解説にこうありました。

あらゆる直角三角形において、斜辺にひいた中線の長さは、斜辺の長さの2分の1である。



・・・そんな定理、あったか?



(つまり、MOの長さは、KOとOJと同じ。)




トドちゃんと数学




外接円の半径

自明。 



嫁さんは、僕が解けなかった数学の問題をあっさり解けたことがよほど嬉しかったらしく、この後このシーンを何度か再現させられました。



私立文系のこの数学への劣等感は何なんだ。