雨、鬱陶しいですねぇ。
せっかくの夏なんだから、気分よくカラッと晴れてくれんかなぁ。
でも、水不足で干上がるよりは、まぁ、いいのかな。

あのですね、先週あたりからたくつぶのアクセス数が異様に多くなっているんです。
だいたいが検索エンジンから飛んでくるらしんですが、そのキーワードが複数検索になっている人が多いんです。
どちらさまも、自分の調べたいキーワードの前に共通してくっつけてる言葉がありまして。



検索キーワード:
自由研究 ◯◯◯◯◯」





夏休みの自由研究くらい手前でやれ




読者のみなさんにおかれましては、たくつぶの記事を引用したりリンクしたりするのは、ネット上の良識の範囲内で、自由にしてもらって構いません。
別にメールやコメントで断っていただかなくても結構です。

しかし、自由研究くらい自分でやってください
レポートの資料として、出典明記のうえで引用するのなら構わないんですが、全文をそのまま丸写しして、澄ました顔して提出する、というのは御法度にお願いします。


ところで、最近は便利な本が出回ってるんですね。
よく本屋さんに行くんですが、こども向けの本のコーナーにいくと、夏休みの自由研究の企画本が面陳(表紙を上にして積み重ねる陳列法)になって山のように積んであるんです。
こども向けに、ドラえもんやポケモンのキャラクターをつかって、自由研究のテーマや、その手順について、あれこれと紹介してるんです。
僕の子供の頃には、こんな本ありませんでした。

くだらないなぁと思います。
仮にこういう本に載ってる自由研究を、そのまま真似して「自由研究やりました」って顔して出したら、それが一体何になるというんでしょう。
自由研究の最も重要な点は、「自分は何に興味を持っているか」「どういうテーマを選ぶか」という選別眼です。鉄道でもいいし、料理でもいいし、スポーツだっていいんです。そういう興味のある分野から、どういう「自分が知りたい謎」を見つけ出すか、がポイントのはずです。

別に自由研究をするには立派なテーマなんて要りません。
たとえば鉄道路線一本あれば素材としては十分です。
路線ひとつをとっても、そのどこに注目するかで、全然違う自由研究になります。

たとえば、自分の最寄り駅から終点までの駅をすべて、駅名の由来を調べます。
駅名にはいろんな由来があるでしょう。駅をつくった人の名かもしれないし、駅の近くの大学名「◯◯前」なんてのもあるでしょう。今は存在しない旧地名を偲んでいるかもしれないし、複数の語源の頭文字をあわせて作った語かもしれません。
そういった語源を分類し、タイプ分けし、その路線沿線はおおむねどういう駅名の付け方をしているのかを調べて一般化すれば、その土地の歴史なり地域性なりが見えてきます。

ふだん何の疑問ももたない駅の位置についても、調べればいろんなことが見えてくるでしょう。なぜその駅は、そこにあるのか。
駅と駅との区間距離は、すべて均一ではありません。駅がそこにつくられるには、それなりの理由があります。
駅は、もともと発達した地域に利便のためにつくられた後発的な駅と、駅がつくられた結果そのまわりが開発された先発的な駅があります。どうしてそこに駅が作られたのか、どうして特急や快速の止まる駅と通過する駅があるのか、そうしたことを調べていけば、その沿線地域が発展してきた歴史が、鉄道との関連で見えるようになります。


誰しも、日常的に自分が興味を持っていることがあると思います。それが単なる興味で終わるのか、深い知見に辿り着くきっかけとなるのかは、そこからもう一歩先に進む好奇心の違いだと思います。自由研究というのは、そうした好奇心をまとまった形にする練習なのだと思います。

自由研究は別に子供のための宿題というわけではありますまい。人生を楽しんでいる大人というのは、無意識のうちに自由研究的な視点をつねに持っているのだと思います。週末や休暇をそういう好奇心探求のために使える人が、退屈を知らない人なのだと思います。



「読書感想文 ◯◯◯◯」って検索も多いんですが