警告続出、審判の笛で波紋=ゼロックス杯サッカー


  PK戦にまでもつれたゼロックス・スーパーカップで、試合中に2人、試合終了後に1人が退場を命じられ、両チームで計9人が警告を受けた。PK戦でもやり直しがあるなど、審判の笛が勝負の行方を大きく左右した。  

敗れた鹿島の鈴木満強化部長は判定に不服を唱え、Jリーグに意見書とビデオを提出する意向を示した。広島の選手からも、警告の基準に問題があったとの声が上がった。  

鬼武健二チェアマンは「審判は反省しているはず。リーグ開幕までに準備をやり直してほしい」と話した。



2008/03/01 13:35キックオフ 国立競技場
【入場者数】27,245人【天候】晴 12.4℃ 29%
【主審】家本 政明【副審】名木 利幸/武田 進 



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家本 政明 (ウィキペディア)


ジャッジの質やピッチ上での行動に対して批判が相次ぎ、「一貫性を持ったレフェリングが出来ていない」という理由でJFAから2006年9月12日付けで異例の「1ヶ月間の研修」を命じられ、一時的に審判活動が出来ない状態となった。研修ののち、1ヶ月間香港で審判を勤めた。結局、この年は再び国内で笛を吹くことはなかった。

2006年10月23日、JFA審判委員会が国際サッカー連盟(FIFA)に申請した2007年国際審判員の候補者28名のうち、7名いる国際主審に名を連ねたが、「研修を行っている人物を国際主審の候補に挙げた」として、この選出にサポーターの間では議論が飛び交った。

2007年シーズンはJ1・J2ともに主審として復帰している。サポーターからは未だ不安を持たれており、実際、J1第8節ヴィッセル神戸-FC東京戦でボールがゴールを割ったにも関わらず得点を認めなかったり、J2第10節コンサドーレ札幌-東京ヴェルディ戦で不可解なPKを与えたり、試合をコントロールできなくなりカードを乱発しテレビ解説者から「このようなレフェリングで有名」とのコメントが出されたりする

2005年にスペシャルレフェリーとなり日本を代表するプロの審判員として数々の試合で主審を務めてきたが、判定への批判は多い。カードの乱発等などの不可解な判定が多く、サッカーファンからはその技量やジャッジの質に対し疑問の声がある。主審を務める試合では、1試合に10枚以上カードが飛び交うことも珍しくなく、退場者が出ることが多い。

主な原因としては、

1. 試合中に冷静さを失い、感情的になった状態で判定を行うことがある。

2. ファウルを見落としたり、1試合で同一選手に2枚イエローカードを出したにもかかわらず、確認ミスでレッドカードを出し忘れるなどの初歩的なミスをすることがある。

3. 判定に説得力がなく、不満を持った選手が冷静さを失い、異議、ラフプレーが続出する。 などがあるとされる。


問題となった主な試合・判定

2005年J2第16節(6月11日)、サガン鳥栖-ザスパ草津戦

後半26分に鳥栖MF高橋義希が草津ペナルティエリアの外で倒されたのをPKと判定。これは草津側の抗議、及び副審との協議によってFKに訂正されたが、その際、ゲームキャプテンとして事態を確認しにやって来た鳥栖GKシュナイダー潤之介に対し、何の抗議もしていないにもかかわらず、家本に近づく10m以上も手前でイエローカードを提示した。シュナイダーは試合後、「主審に言葉を発していない段階で、『君は来る必要がない』と言われて警告。僕が(PKの)キッカーのつもりだったらどうするのか」と、困惑するコメントを残した。
さらに後半ロスタイム、鳥栖ペナルティエリア内に草津MF高須洋平がドリブルで切り込んだが、バランスを崩して転倒。しかし、家本は、高須が勝手に転んだだけのこのプレーに対し、鳥栖のファールとしてPKを宣告。更に、このプレー時高須から数メートルも離れた位置にいた鳥栖DF八田康介にイエローカードを提示した(このイエローカードは試合後鳥栖MF飯尾和也へのものと訂正されたが、その直後八田に再訂正されるというドタバタぶりだった。さらに、6月14日のJリーグ規律委員会において、人違いであったとして、飯尾への警告に訂正された)。ファールを受けたとされた当の高須ですら「足がもつれただけ。何でみんなが喜んでいるのか分からなかった」と語る不可解な判定だった。鳥栖の松本育夫監督は試合後、「これだけの“大誤審”を見たのは私の長いサッカー人生で2回目。1回目は二十数年前の国際試合での八百長試合だった」と語った。


2005年J1第29節(10月29日)、浦和レッドダイヤモンズ-川崎フロンターレ戦

川崎側の何でもない接触プレーをPKと判定したり、川崎DF佐原秀樹の完璧なヘディングシュートをファールと判定しノーゴールとするなど、(浦和への判定も不可解なものが多かったが)全体的に川崎側に不利なレフェリングを続けた。更に試合終盤、川崎FW都倉賢がボールに向かって足を出したところ、浦和GK都築龍太と交錯した。これに対して、都築が激怒して都倉を突き飛ばすという報復行為を行ったにもかかわらず、都倉へのレッドカードに対し、都築に対してはイエローカードの提示にとどめた。計11枚(浦和5枚、川崎6枚)のカードが乱発される荒れた試合となり、試合後は直接的な被害者となった川崎サポーターのみならず、試合に勝利した浦和のサポーターからも家本への不満が噴出した。川崎の関塚隆監督は、試合後「我々を勝たせてくれない『何か』が働いていた」と語り、間接的に家本を批判した。


2006年J1第16節(7月29日)、大分トリニータ-川崎フロンターレ戦

既に1枚のイエローカードを受けていた大分DF上本大海が悪質なファールを犯したが、カードの提示はなし。この判定に川崎の関塚監督が猛烈に怒ると、家本は即座に関塚を退席処分とした。更にその後副審との協議の上、当の上本にもこの試合2枚目のイエローカードを提示して退場処分としたが、最初から上本にカードを出しておけば関塚の退席は起こっていないはずであり、抗議をした関塚を退席させた後で上本を退場させるという非常に不自然なレフェリングだった。この試合は1-1の引き分けに終わったが、試合後不可解な判定に怒った大分・川崎双方のサポーターが合同で「家本辞めろ!」コールを起こす異常事態が発生した


2006年J1第21節(8月30日)、鹿島アントラーズ-名古屋グランパスエイト戦

後半33分、鹿島の選手に全く触れていない名古屋DF秋田豊に対してイエローカードを提示、PKを宣告。このPKが決勝点となり鹿島が2-1で勝利したが、試合後判定に怒る名古屋のセフ・フェルホーセン監督に対し、家本が激昂して挑みかかり、スタッフに必死で止められるという醜態を見せた。主審が監督に喧嘩を売るなど前代未聞であり、改めて「キレやすさ」を露呈した形になった。なおこの試合の直後、先述の研修の指示が下っている。


ここに挙げた比較的大きな事例以外にも、カード提示者の取り違え、カード提示枚数の記録違い、不可解な退場処分などが家本が担当する試合では頻発しており、しばしばサポーターの怒りを買っている。2006年には担当した3試合続けて警備員に守られながら退場するという事態も起こっている。




こんなのに笛を吹かせたJリーグとサッカー協会の責任。