「最近の若者は本を読まない」本当の理由


最近の若者は、本を読まない。ネットやケータイに毒されており、まともな文章を読む能力に劣るのが、イマドキの若者だそうな。そのため、文を書く能力も、相手の話を理解する能力も、ひいてはコミュニケーションそのものが著しく劣っている。このままでは日本が亡ぶ ―― って、ホント?

 しかもこの説、かなり昔からもてはやされている。「最近の若者は…」といいだすオヤヂ連中が「最近の若者」だったころも、この言説はマスゴミ紙面の埋め草となっていた。

結論からいうと真逆で、最近の若者ほど本を読んでる。これは二重の意味でYESといえる。つまり、昔に比べて今の方が本は読まれている。さらに、オヤジ連中よりもむしろ、若者世代の方が本を読んでいる。


「本を読まなくなった」とホザくオヤジは、最近、本屋に行ってないのか? あふれんばかりの本の洪水は、需要を求めて老若男女関係ない。それでも、入口正面やレジ側の一等地に平積みされてる本は、いったい誰に向けてアピールしている?

 よく見てみな、帯の惹句やタイトル、装丁がターゲティングしているのは、若者だ!本屋も出版社もバカじゃねぇ、売れる相手に売ってるんだ。そしてそれは、本なんて読まなくなったオヤヂじゃねぇ。



日本に帰国してからよく深夜の通勤電車に乗る機会がある。車内のサラリーマンは(1)音楽を聞いている、(2)携帯をいじっている、(3)ゲームをしている、(4)何か読んでいる、のどれかに大別される。

ちなみにこれは、どれも若年層のサラリーマンの話だ。中高年のサラリーマンは、ほぼ例外なく酔っぱらって寝ている。座席にでんと横になっていびきをかいてる不届きなオヤジもいる。駅のホームで嘔吐してるのは、だいたい頭が禿げ上がったくらいの世代だ。

それに比べて、20代30代とおぼしきサラリーマンは、夜11時頃の電車でも素面が多い。夜の通勤電車のマナーに関する限り、中高年の質の悪さは若年世代の比ではないような気がする。

朝の電車は知らないが、夜の電車で本を読んでいる中高年をほとんど見かけない。僕はしょっちゅう本屋に行くが、平日の夜に本屋をひとめぐりして目につくのは、ほとんど若いサラリーマンだ。

若者のほうが消費力と購買力が高いだろうから単純に決めつけるわけにはいかないだろうが、もし中高年が本を読んでいるとしたら、いつ本を買って、どこで読んでいるのだろう。「最近の若い者は本を読まない」というのはいつの時代でも聞く話だが、「最近の中高年はよく本を読む」のだろうか。

僕の個人的な経験では、「本を読まない若いモンは駄目だ」という輩に限って、読書を単純に冊数で計ろうとする。読む本の種類も偏ってる。屑のような本を100冊読むよりも、珠玉の一冊を丹念に読むほうが感性を磨く場合だってある。他人の読書に物申す前に、自分がいかほどの本をどれだけ読んでいるのかを、まず顧みる必要がありはしないか。



夏は腰を据えて長いのを読みたくなりますね