学会提出、完了。
長い戦いだった。

現段階の時点でできる限りのことはやった。これで落ちたらもうしょうがない。今のオレではこれ以上の分析は思いつかない。

指導教官にいくつか褒められた。単純にうれしい。そのひとつは、絶対否定できないデータと解釈を見つけたこと。分析なんぞ、はっきり言って水物だから、何年かしたら反証されたり論破されたり、いずれ崩される。しかし、データを一つ発見すればそれはずっと残るのだ。分析にはいくらでもケチを付けられても、データは否定しようが無い。僕が発見したデータは、今回の学会に落とされてもどこかで発表して、はやく自分の名を冠するようにしよう。うきうき。

もうひとつは「はぁ?そんなにすごいことか?」と思ったけど、とりあえず褒められた。
それは、形式化の能力。自分で説明したいことを、「だいたいこういうことなんですけどね」という感じで直感的に説明するレベルでは、学会で発表なんぞできない。自分の思考を一般化し、あらゆるケースに適応可能な一般形に結実させることで、思考は形になる。数学や論理学はそのための武器だ。
今回の論文では、僕のアイデアは、任意の項から集合の平均値を引いたものを二乗し、その演算を初項から末項まで足し合わせたものにルートをかける、という操作で一般化できた。何のことはない、ただの標準偏差だ。エクセルなんかでは標準装備されてるほどメジャーな演算。Σ(シグマ)を使えば一行で書ける。日本の高校二年生だったら誰もが知ってる基本的な演算だ。
ところが、アメリカを始めとして世界中の中等教育では、数列でのΣの演算も、確率統計の標準偏差も、常識ではないらしい。「どうやってこれ形式化したの?」と聞かれたから、日本では高校で必ず習う基本的な演算だ、と言ったら驚いてた。そんなもんなのかなぁ。日本の数学教育のレベルは高いと聞いたことがあるけど。でも最近では建前と実態の間の地滑りが問題化してるみたいね。

改善点ももちろんあり。いくつかいただきました。
中でもいちばんアイタタタだったのは

「英語に間違いが多いね」

しょ、精進します!!